未来のYouTuberへ勇気づけしたこと
先日、娘の中学の
参観会へ行った時のことです。
その日は「立志の宣言」という
将来どんな人間になりたいかという宣言を
授業で発表する日でした。
保護者が教室の後ろにズラリと並び、
先生はノートパソコンで様子を録画する様子。
授業が始まり、
一人一人、出席番号順に名前を呼ばれると
生徒は事前に用意した「色紙」と
「発表原稿」を持って、前に出ます。
「色紙」には、
『努力』とか『挑戦』とか
その子の大事だと思う言葉が書いてあり、
脇の机の台に皆に見える様に立てかけたら
発表準備完了です。
将来どうなりたいか、「原稿」を
1分程度で読み上げて発表します。
ただ・・・
マスクをしているせいか、
皆が原稿を見てうつむいているせいか、
声が もそもそ していてあまり聞き取れないし
他の生徒も、シーン・・としていて
一応、きいています。みたいな感じ。
盛り上がりに欠ける時間でした。
そんな中、
一際皆の注目を集めた男子生徒がいました。
その子は、席を立って前に出る過程も
挙動不審・・・というか、
何とも面白い動きをしていて
皆の笑いを誘っていました。
そして、色紙を立てかけたけれど
原稿は手に持っていません。
皆がクスクス笑っている中、
彼は話し出しました。
「僕は人を楽しませるのが好き」
「将来YouTuberになって皆を楽しませたい!」
「理想を現実にしていきたい!」
お〜! もう出来てる出来てる!と思いつつ、
この時、私は今日初めて
「本当の声」を聞いた様に思いました。
綺麗に作文した、優等生の様な発表は
「本当にそう思ってる?」と尋ねたくなりましたが
彼は、本心でそう思っていることが
とても伝わってきました。
ただ、私が感動していると
先生が信じられないことを言ったのです・・。
「なぜ、原稿を持っていないというと?」
え?これまで、一切、生徒の発表に
フィードバックをしていないで
録画作業をしていた、
先生の初めての発言が・・・それ?
彼が恥ずかしそうに
「・・・原稿なくしちゃったんです(テヘペロ)」
というと、クラスはまた笑いに包まれました。
えええーーー
誰よりも注目を集めて
誰よりも良い発表をした(と私は思っている)
そんな生徒の「欠けている部分の指摘」ですかーーー
このまま、この環境にいたら、
せっかくの彼の気持ちが萎んでしまうかもしれない・・・
と、すごく残念、とうか、危機感を持ちました。
人は、注目された所が増えていくのです。
悪いところを指摘されれば、そこが増えていく。
良いところを指摘されれば、そこが増えていく。
だから、原稿をなくしたことは
指摘しなくていいのです。
「皆の注目を集めているね!」
「自分の言葉で発表できたね!」
「すごく楽しそうな夢だね!」
それでいいのです・・・。
こんなフィードバックを
(できれば生徒全員に)
してほしかったなと思いました。
ちなみに、
彼の様な人こそ、「自分の好き」で
周囲を幸せにしていく人じゃないか!
大切に育てなきゃダメじゃないか!
と、彼の夢を萎ませてはいけないという
勝手な使命感を感じた私。
参観会終了後、彼を廊下で待ち伏せて
「発表! 一番良かったです!!」
と、追っかけのファンみたいな声かけをしてきました。
嬉しそうな彼の顔を見て
「伝えて良かった」と思いましたよ!
人やもの。
全ての素敵なところを
注目していきたいですね。